てんてんと

へなちょこアラサー既婚女の世迷いごと

私たちは「冷えピタ」と言うときに本当に「冷えピタ」を思い浮かべているのか

ネットラジオ『ラジオ漫画犬』が好きでよく聞いている。

漫画家の凸ノ高秀さんとその地元のツレだという孔雀王さん(バー店主)の二人であーだこーだ喋ってる番組である。

元々はオモコロで配信されていたのだがそこから独立し、現在はYouTubeSpotify·stand.fmなどなどで配信されている。

 

さて、最近そのバックナンバーを聞いていてハッとしたくだりがあるのでその話をしたい。


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問題はこの回の1:06:29から読まれるリスナーからのメールである。

 

リスナーからのメールは要約すると「冷えピタ」だと思って「熱さまシート」を買っていたというものだが、そこから「冷えピタ」はもはや商品名ではなく、冷却シート一般を指す言葉なのではないかと展開される。

 

確かに我が身を振り返ってみてもそういう言葉の使い方をしてしまっている気がする。

でもこれってみんなそうなのでは。

私は手始めにTwitter(あらかじめ断っておくとあれを「えっくす」などと呼ぶ気は毛頭ない)で「冷えピタ」を検索してみた。

見つけたツイートのうち、画像が添付されているものを確認すると「熱さまシート」が写ってるものが多数ある。

しかし「熱さまシート」で検索して出てきたツイートの添付画像には「熱さまシート」しかないのだ。

またYouTubeでも「冷えピタ」を検索すると『冷えピタで○○してみた』といったの動画が出てくるのだが、その中でもやはり「冷えピタ」ではなく「熱さまシート」が用いられているものが多数ある。

余談だが冷えピタ(実際には「熱さまシート」)をあの手この手で食べようとしているどうかしてるチャンネルも出てきた。インターネット最高。

 

さらにInstagramで「#冷えピタ」と「#熱さまシート」をそれぞれ検索してみた。

2023/10/27時点で「#冷えピタ」は2.5万件、「#熱さまシート」は5000件以上という結果。

そしてやはり「#冷えピタ」のハッシュタグがつけられた投稿には「熱さまシート」が多数写りこんでいる。

「#熱さまシート」のハッシュタグでの投稿のほとんどは「熱さまシート」が写っているようだった。なかには「お熱とろーね」が写っている投稿もあったが、「冷えピタ」が写っている投稿はあまりなかった。

ちなみにInstagramでちょくちょく目についたのが、「#冷えピタ」「#熱さまシート」のどちらのハッシュタグでも「お熱とろーね」というアンパンマン柄の冷却シートが写っている投稿だった。

 

そもそも「冷えピタ」と「熱さまシート」はどちらが先にあったのか。

 

「冷えピタ」と「熱さまシート」 | アース国際特許商標事務所

 

小林製薬株式会社は、「熱さまシート」の商標を1993年10月19日に出願して、1996年9月30日に登録されています(第3201859号)。「熱さまし」と「シート」をかけており、とても覚えやすい商標ですね。

 

イオン株式会社は、「冷えピタ」の商標を1995年12月1日に出願して、1997年8月29日に登録されています(第4050015号)。「ピタッと貼って熱をとる冷却シート」ということで、実にわかりやすい商標です。

 

どうやら「熱さまシート」の方が先にあったようだ。

 

さらに調べると2019年公開の「熱さまシート」の25周年記念ページにて開発にまつわるエピソードが載っていた。

 

小林製薬の「熱さまシート」25周年 | ニュースリリース | 小林製薬株式会社

まさか刺身こんにゃくに開発のヒントを得ていたとは。

 

また、特許庁のサイトでも「熱さまシート」についてのページを見つけた。

 

「冷却ジェルシート」小林製薬(株) | 経済産業省 特許庁

 

「熱さまシート」も同様に、商品カテゴリー名だと誤認されがちなので、普通名称のように使用されている事態を発見した場合は、使用者に対して登録商標であることをお伝えし、記載の変更をお願いする等注意を払っているそうです。なぜなら、「熱さまシート」が小林製薬の商標として登録されても、商品名が普通名称化してしまうと、商標権の効力がなくなってしまうためです。

それはライオンが言うべきセリフである。

「冷えピタ」の方がよほど普通名称化している。

いやそれにしても確かにネーミングの良さというか「口に出しやすさ」は圧倒的に「冷えピタ」の方が上なのだ。

4文字と7文字なら4文字の方がサクッと済む。「冷えピタ」の4文字で「貼って冷やすもん」という説明が十分にされている。まぁ「冷えピタ」がそういうものだとイメージ出来るのは「熱さまシート」という先駆者がいるおかげでもあるのだろうとも思う。

あと後ろに「貼る」という動詞とセットで使うなら「ピタ」という擬音が含まれるほうが小気味よい気がする。個人的な感覚として。

まぁどちらにせよ結局使う側の認識が「体に貼って冷やすシート」以上でも以下でもないのだ。多分。

 

こんな毒にも薬にもならないような話をグダグダしておいて申し訳ないが私の言いたいことは一つ。

四の五の言わずにラジオ漫画犬を聞け。最近のお気に入りの回を2つ3つ貼っといてやるから聞け。


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